中庭へ風がそよそよと吹いた。 各々の服や髪の毛が風に揺れる。 そんな中、早裕はポツリと話し出した。 「確かに紘哉くんの推理は正しいよ。でも、決定的に違うところがあるの」 「……違うところ?」 彼は怪訝そうな顔をする。 早裕は一回だけ頷いた。 「動機が違うの。しかもね――」 早裕は大きく息を吸って、紘哉を見つめた。 「紘哉くん、アナタが関係しているのよ」