たちまち立ち込める、重い静寂。
やがてゆっくりと早裕が口を動かした。

「……動機は?」

「……あ?」

「だから動機だよ、紘哉くん。
仮に私が殺したとしても動機が見当たらないじゃない」

「あー……」

彼は困ったように息を吐く。
途端に早裕が小さく勝ち誇った様な笑みを浮かべた。

そんな早裕に向かって、紘哉は言い放った。

「動機だったらありますよ。ちゃんと」