紘哉の問いかけに、何度も頷く隼美。
やがて彼女は自らの口で語り出した。

「そしたらね、あかくてけむりがあったのみたの」

「赤くて煙?」

優が隼美の言葉を反芻する。
隼美の代わりに彼が頷いた。

「これは焼却炉の炎と、そこから立ち込める煙の事を言っていると思います。
ちょうど優さんの部屋の下と言っていたので」

「……」

図星なのかどうなのか分からないが、優は口を閉じた。