「普通なら、ね」

早裕が追い討ちをかけるようにボソッと呟く。
羽兎は少し悔しそうに彼女を小さく睨んだ。

「二人とも落ち着けよ。勝手に先進めてるからな。

しかし、ここで誤差が起きてしまいます。
それはロックスの存在。
確か、彼は激しく吠えてましたよね?
恐らく、彼は血の臭いに反応したものと思われます。

その鳴き声で起きてしまったのが……隼美ちゃん。
彼女はビックリして外を見ました。そうだったよな?」