「早い話、あの木に大人二人分の体重は耐えられないってことだ」

「それだったら何を担いでいたの?」

「洗濯物だ。事件現場にあったやつ」

「えーっ!?」

彼女は驚き、体をのけ反らす。
羽兎を一瞥すると、紘哉は冷静に、ゆっくりと説明し始めた。

「優さんは洗濯物を担いで離れから母屋へ移動した。
移動方法はワトコの言っていた振り子方式で間違いないだろう」