「うん。確かに見たよ。
あまりにも大きかったから、私は死体が入ってるのかと思ってる。今でも」

「でもそれは違う」

即座に否定される。
彼女は口を尖らせた。

「ワトコが木に登っているとき、木がミシミシ言っているのを見ました」

「失礼な!私そんなに重くないよ!」

「そうじゃねぇよ。誰もそんなこと言ってないだろうが」

羽兎は安心したような、それでもどこか納得のいかない顔をする。