「恐らく、お互いに成り代わることは簡単だったでしょう。
しかし、家族の目はごまかせないものですよ」

彼は満足そうに言う。

二人が入れ替わっていたと言う事実。
それを裏付けた隼美は、無表情のまま黙っていた。

「あなたは被害者を刺した。
たぶん、被害者は使っていたハンモックに倒れたのでしょう。
だから毛布も血だらけに。

現場の血溜まりが小さかったわけは、ハンモックや毛布が血を吸収したからでしょうね」