「……はぁ?」

最初に声を出したのは、早裕ではなく羽兎だった。

「紘哉さん!何言ってんのさ!早裕さんにはアリバイがあるじゃない!!」

羽兎の言う通り、早裕はずっと紘哉達と一緒にいた。
それは彼らがが一番よく知っている。

鉄壁のアリバイ。
崩すことは不可能。

「……そこが盲点なんだよ」

彼は静かに告げる。

「だって彼女――早裕さんは、最初から俺達と一緒にいなかったんだから」