「最近の夜は冷える。毛布無しで過ごすのは不可能だろうな」

「確かに……」

羽兎もようやく納得したように首を振る。

「これはただの推測に過ぎませんが……恐らく、犯人が武子さんを刺したとき、まだハンモックは正しい使い道をされていたと思います」

そうでないと血はつかない。

「そして、武子さんにあった後頭部の打撲。
これは、ハンモックの棒に頭をぶつけたものだと思われます」