彼女の顔が若干ひきつる。
彼は諭すように羽兎を指差した。

「探偵の基本は物事を何でも疑って見ることだ。

普通に考えておかしくないか?
支える棒があるのに肝心の布が無いなんてな」

「布団が出してあったから、仕舞っちゃえば違和感は無いかと……」

「だったら何で毛布は無いんだよ?」

「あ……」

羽兎は気付いたように手をポンと叩いた。