翌朝。 指定されていた期限になった。 不機嫌な紘哉とは対照的に、外は雲一つない晴天だ。 昨日立ち去る際に恵一が言っていた。 『9時には来るからそれまでに考えをまとめておけ』と。 命令されるのは癪だったが、一応正論なので反論はしなかった。 時刻はもうそろそろ午前9時。 紘哉は上着に腕を通して中庭へと出ていった。