二人は母屋の地下室へと移動した。
窓もない、薄暗い部屋。
裸電球がチカチカと光る。

そして、全ての電力を支配するブレーカーがそこにあった。

「暗いですね。地下室だけあって」

辺りを見回す恵一に対し、羽兎は周りに目もくれず、一直線にブレーカーへ歩み寄った。
そしてポケットからピンクの携帯を取り出す。

「羽兎さーん?」

「証拠ですよ。停電の」