「……で、本当にここはリビング!?」

羽兎がリビングをキョロキョロしながら言った。

早裕はクスクス笑いながら、二人をテーブルへと案内する。

「リビングだよ。確かに本は多いけど」

壁一面に埋まった本。
普通なら書斎と勘違いしてしまうほどだ。

「しかもほとんど孫紗江(そん さえ)さんの本だ」

「好きなんだよね、彼女のミステリーが」