「それに、この屋敷のデカさ。ただモンじゃないぜ? もしかしたら優さんはお嬢様で、将来を約束した相手だっているかもしれない。 そんな相手に自傷癖の事がバレたら? もう自分の中じゃおじゃんだよ」 「それが脅しの種ってワケか……」 確かに考えられない話ではない。 だからと言って、それが真実とは限らない。 そんなことを思っていると、優がおもむろに口を開いた。 「花形さん……でよろしかったかしら?」