しかし誰も彼女の表情の変化には気付かない。

恵一は書類を見ながら続けた。

「次にカーペットの方だけど……こっちは加々美優の血が検出されました」

「えーっ!!武子さんのモノじゃないの!?」

羽兎はがっかりしたようにうなだれた。
それとは対照的に、紘哉は嬉しそうに口角を上げる。

「賭けは俺の勝ちだ」

「ちぇ~っ」