「どうして私だと思ったんですか?証拠もないのに」

しばらくした後、優はしっかりと聞いた。
泣き晴らした目は赤く、頬にも涙の線が残っている。

「さっきも言いましたけど、証拠はこの包帯です」

紘哉は優の目の前に包帯を差し出した。

「普通に考えて、こんな血溜まりのある場所に包帯を置くなんておかしいですよね?犯人としては」

「確かに、殺害現場に置いておく意味はないよ。これじゃあまるで怪我の手当てをしたようなものだもん」