「あっ、紘哉さん!待ってたよ!!」

紘哉が戻ると、羽兎は嬉しそうに腕をブンブンと振った。

左手には霧吹きボトル。

紘哉は片手をあげて、ダルそうに羽兎に近寄る。

場所は中庭。
調べ終わったはずの場所なのに、彼は羽兎を中庭に呼びつけたのである。

「一応ルミノール持ってきたけどさ、調べる場所なんて無いよ?」

「やってみなきゃ分からない」