『次の満月の夜、お前の家の《宝物》を盗むぞ! 時間は9時だ! ふはははは!! 怪盗仮面』 ――今でもあの時の衝撃は覚えている。 もう少しマトモな予告状は書けないのか。 あの時から紘哉はずっと思っていた。 「次の満月と言うと、ちょうど一週間後ですね」 羽兎がカレンダーを見て言った。 「お願いできますか?」 「分かりました。では、その日に伺います」