紘哉は早裕に借りた自転車で警察署に来ていた。 入り口の前には恵一が立っている。 紘哉は急いで自転車を降り、恵一の元へ駆け出した。 「どういう事だよっ!?」 彼は恵一の胸ぐらを掴んだ。 恵一はそんな彼を見て軽く笑う。 「お前が取り乱すなんて珍しいな。たかが怪盗仮面が逮捕されただけなのに」 「……」 紘哉は黙って恵一から手を離した。