時刻は変わり、午後6時30分。

一旦部屋に戻った二人だったが、すぐに優に呼ばれて母屋に向かうこととなった。

「なぁ、大事なこと忘れてないか?」

ふいに紘哉がポツリと言った。
羽兎は何が?と聞くような目で紘哉を見る。
もうホームズみたいな帽子はかぶっていない。

「俺達がケイにこの屋敷に足止めされてる理由だ」

「う~ん、何で?」

「考える気無いだろ」

「まあね」