「もうお母さんに会えないってことだ」 「え……?」 「どこに行っても、どこを探しても、もうお母さんに会えない。話すこともできない」 5歳の女の子にとっては耐え難い事実。 隼美の目には涙が溜まり始めてきていた。 「おにいさんは、どうしてはやみにいじわるばっかりいうの?」 「意地悪じゃない。これが事実だからしょうがない」 そう言って紘哉は泣き出した彼女の肩をつかんだ。