「う~ん、お母さんはねぇ――」

「死んだよ」

紘哉はただその一言をぶっきらぼうに言った。
羽兎は驚いたような目で紘哉を見る。

「紘哉さん……」

「小さいからと言って事実を隠すのか?」

「それは……」

一人だけ状況を読めない隼美は、興味津々な目で彼らを見つめる。

「『死んだ』って?」

「……」

羽兎は気まずそうに目をそらした。

羽兎の代わりに紘哉が答える。