「分かった。ありがとな」 紘哉は礼を言って立ち去ろうとした。 「ねぇ、おねえちゃんたち」 そこを隼美に呼び止められる。 羽兎は笑顔で隼美の方を振り向いた。 「おかあさんはどこにいるの?」 隼美の一言によって彼女の顔から笑顔が一瞬にして消えた。 こんな小さい子にお母さんが死んだと言って理解できるはずがない。 と言うか、受け入れてくれるはずがない。 羽兎は困ったように頭を掻いた。