停電の原因が紘哉の頭の中で繋がった。

「紘哉さん……?」

羽兎が不思議そうな目で紘哉を見てくる。

無理もない。
滅多に笑わない紘哉が笑ったのだから。
それもニヤリとした意地悪そうな笑み。

「隼美ちゃん、もっと詳しく聞かせてくれないか?」

彼は隼美に近寄り、しゃがんで目線を合わせる。

隼美は少し体をビクッとすると、無言で頷いた。

「隼美ちゃんはスイッチを押したら部屋が真っ暗になったんだよな?」

またも無言で頷く隼美。
彼を恐れているのか、何も言いたくないのか。