「スイッチなんてこの家にあったっけ?」

羽兎が疑問の声をあげる。

「スイッチなんてたくさんあるだろ。電気とか風呂とか」

「確かにそうだね」

二人で納得していると隼美が抗議をした。

「でもね!はやみがおしたのくろいスイッチだった」

「黒?」

「そこのおじ……おにいさんがきてるようなまっくろいやつ」

そう言って彼女は紘哉を指差した。

俺はそんなに老けて見えるのか。