そんな二人の事を紘哉は手持ちぶさたな様子で見ていた。
完全に蚊帳の外だ。

紘哉の視線に気付いたのか、隼美は後ろの紘哉に目を向けた。

「わとおねえちゃん、うしろにたってるまっくろでこわそうなおじちゃんはだれ?」

「お"兄"さんだ!」

確かに真っ黒だけど、怖そうでもオジサンでもない。
紘哉は顔をしかめて言った。

途端に隼美が泣き出しそうな顔になる。

羽兎は隼美を宥めつつ、紘哉に向かって言った。