それだけを言い残すと、彼は現場のイエローテープを越えていった。

「……」

嵐の後の静寂。
まさしくそんな感じだった。

「今日はもう用はないね」

「そうだな」

二人も立ち入り禁止テープを超えた。

恐らく現場で得られる情報はこのくらいだ。

あとは関係者の話を聞かなければ。


太陽は赤く染まり始めていた。