「おまけに愛する妻が殺されたってのに夫は帰ってこないしよ」

「夫はもう死んでるって可能性もあるんじゃないですか?」

羽兎が可能性を示すと、彼の代わりに紘哉が首を横に振った。

「それはない。死んでいたらリビングや部屋のどこかに遺影の一つや二つあるはずだ」

「そっかぁ」

「とにかく、だ」

再び恵一は拳を掲げて続ける。

「そこら辺の事情聴取、よろしく頼むぜ!」