「何って……事件の事だけど?」

「だったら何か言えよ」

恵一は羽兎の方に指を差しながらキツく言う。

「お前さっきから羽兎さんの話しか聞いてねぇじゃん!何か無いの?推理とかさ!」

「……」

紘哉は黙り込んだ。
重い沈黙が周りを包む。

それに耐えられなくなったのか、羽兎が口を開いた。

「紘哉さん……」

「今はまだダメだ」

紘哉は静かに答えた。