彼女はポケットからピンクの携帯電話を取り出した。
そしてポチポチと弄り出す。

「紘哉さん、これ見てよ」

そう言って羽兎は携帯画面を紘哉に突きつけた。

写っていたのは仮面をかぶった人の写真。
オペラ座の怪人で出てきそうな仮面だ。

服装は赤いマントに沢山の装飾のついた派手な服。
そして手には黄色い袋を持っていた。

「これが怪盗仮面なんだ」

羽兎は視線を落とした。