「そうだな……やっぱり血かな?」

羽兎の言葉に紘哉はくるっと振り向いた。

「まだ血の事気にしてんのかよ」

「当たり前でしょー!だって血は人間の生きる為に必要なものだよ!」

「それがどうかしたのか?」

「少ないんだよ」

羽兎は静かに告げた。
今まで騒がしかったせいか、急に真面目になられると少し怖いものがある。

「被害者は刃物で刺されて失血死。だったらもっと血が流れ出てるはずだよ」