「そりゃあ洗濯物干すためですよ!」

一人だけ場違いな発言をする恵一。
紘哉は眉間にシワを寄せた。

「お前、状況読めてんのか?」

「え?何の事?」

やはり理解していなかったらしい。

「今は洗濯物を干している棒の話だ」

「あぁ……その棒の事か」

恵一はニシシと笑った。
悪びれている様子は全くない。