「しょうがない。性格は簡単に変えられるものじゃないしな」

紘哉と恵一の間に微妙な空気が漂う。
ただ一人、その空気を読めない少女は元気よく拳を掲げた。

「じゃあ、捜査しよう!」

「だからハサミを置けっつーの」

紘哉は軽く羽兎を睨んだ。


部屋に特に変わったものは見当たらなかった。

畳まれた布団。
干された洗濯物。
荒らされたタンス。