「とにかく今は現場の捜査だ。
ワトコ、これ以上俺にハサミを向けるんだったらこの部屋から出ていけ」

羽兎はハッとなり、申し訳なさそうにテへっとした。

「ごめんね。許して?」

「……ハサミ持ったまま言われても全然可愛くねぇよ」

彼はふいっと視線を外す。
そして、部屋の隅では恵一が身震いしていた。
表情が怯えきっている。

「羽兎さん……こんな性格だったのか」