散乱した部屋。
開け放たれた窓。
床にできている小さな血溜まり。

羽兎は愛しい物を見たときのようなため息をついた。

「はぁ……血っていいですよね。不謹慎なのは分かってるんですけど」

不謹慎もいいところだ。

羽兎は紘哉をじっと見つめる。。
手には現場のハサミ。
嫌な予感しかしない。

「紘哉さん……刺したらどんな色の血が流れるのかな。
薔薇のように赤くも美しい色なんだろうな。
試してみたいな……」

「……そう言って俺にハサミを向けるな」