優と一緒にいることができる位に回復したらしい。
紘哉は安堵のため息をついた。

「じゃあ、私はこの辺で失礼しますね」

そう言って彼女は軽く頭を下げ、その場を立ち去った。

一瞬だが優の左手首に包帯が巻いてあるのが見えた。

「ねぇ紘哉さん、優さんどうしたんだろうね?」

さすがの羽兎も気付いたらしい。

「さあな」

「枝にでも引っ掛けたのかね」

二人はそんな会話をしながら、刑事のいる場所へ歩いていった。