繭は立ち上がる。
大地と同じ目の高さになった。

棚の上の額縁に収められた大地は、変わらぬ笑顔で繭を静かに見ている。

「繭が決めたとおりに、生きて」

そう言ってくれているような気がした。

大地、ありがとう。

繭はまっすぐに大地を見つめると、自分を奮い立たせるようにうなずき、そして微笑んだ。

「だから、私」