始まったバスケの授業。


くじ引きで適当に分かれたチームで、試合をする。
百合と一緒のチームだったのはラッキーだったけど、最悪なのは相手チームだ。
相手チームのほぼ全員が、バスケ部と運動神経の良い子たちで組まれている。

「うわー…」

自然とため息が出る。

でも、まじめにやらないと、先生キレると面倒だし。

しょうがないか、と足を踏み出した時――。



「美羽っ!危ないっ!!」



「――え?」


百合の声に、振り向こうとした瞬間、あたしの体は派手に転んだ。

「大丈夫!?」

百合が駆け寄ってくるのがわかる。

「だ…大丈夫」

体を起こしながら答えると、百合がほっとしたように少し笑った。

どうやら、床に転がっていたボールに足を乗っけて、そのまま滑ってしまったみたいだ。
恥ずかしすぎる。

顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。
でも、照れ隠ししている場合じゃない。