嘘ぉっ!!

「ど、どうしよう百合っ!!」

涙声で言ったのに、百合は「どうしようもないよ」と冷たい。
そんなぁ…と途方にくれていると、


「とりあえず、今夜は家に帰ったら?」


「……え」

「美羽の家、このあたりにあるんでしょ?今日だけ、家に帰ったら?」

家。

それはあたしにとって、この世で一番嫌いな場所だった。

「……美羽?どしたの?」

携帯の向こうから、心配そうな声が聞こえる。
動揺をさとられないよう、あたしは早めに電話を切った。

「うん、そうしてみる。じゃあね、バイバイ」

「ちょっと、美羽……」

ぷつっ。

携帯をしまってから、大きくため息をついた。