体育館に戻る前に授業終了のチャイムが鳴ったため、あたしは保健室を出てからそのまま更衣室へと向かった。
「…痛くない…」
さっきは歩くたびに痛みを増していたのに、テーピングしてもらってから全然痛みを感じない。
女子更衣室の扉を開けると、着替えていたクラスメイトのみんなが、一斉にあたしのところに集まってきた。
「おかえり、日比野さん!」
「た…ただいま」
「で…どうだった?」
「あ、うん。軽くひねっただけって」
そういうと、みんなは興味津々といった様子で、
「違う違う!そうじゃなくて、」
「先生のほうだって!!」
せ、先生?
って、あの変態保険医?
「…先生がどうかしたの?」
きょとんとしたまま尋ねると、みんなが悲鳴のように「知らないのっ!?」と叫んだ。
「な、何が?」
「だーかーらーっ!今年入ったっていう保健室の先生、超イケメンって噂じゃん!!」
「……そうなの?」
「本当に知らなかったの!?」
「入学式でもみんな騒いでたじゃん!」
入学式…。
…って、あたし、入学式半分寝てたんだよね…。
……それにしても。
あの先生、有名だったんだ…!
確かに顔はよかったけどさ。
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