だって、だって――。
ファーストキス!
初めてだったのに!!
「最ッ低!こっ…この…変態教師ーっ!!」
「まあまあ、怒らないでくださいよ」
「怒るよ!!お、女の子の、ファーストキス奪っといて、相手の了承もナシにっ…教師失格!バカ!アホ!!変態っ!!おっさん!」
「おっさんはないでしょう、僕まだ21ですよ」
「そんなことどーでもいいっ」
そのまま、保健室を出て行ってやろうと思って、先生にくるりと背を向ける。
けど、保健室の扉に向かって歩こうとしたとき、ズキンと足首が痛んだ。
…そうだった、足、ひねってたんだった。
しかも、さっきより痛みがひどくなってる。
でも今は見てもらえるような状況じゃないし…。
痛みをこらえてその場から去ろうと歩き出す。
けれど、腕をつかまれた。
「ちょっと待ってください」
「まだ何か用ですか、変態センセイっ。心配しなくても、バラしたりなんか――」
「違います。ケガしてるんでしょう?」
……ばれた。
なんでわかったんだろう…って、保険医だから当たり前だ。
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