「いい加減にしてくれよ。俺はただ、花音が嫁に来てもやりやすいように考えてるだけだよ。それに、たかが契約社員で、会社の中心になって働いてるわけじゃない。それなのに、どうしてそこまで仕事にこだわるの？」


悠貴の言葉に、あたしは口をつぐんだ。



返す言葉がなかった。

だって、悠貴の言うことがもっともだったから。



あたしはただの契約社員。


会社にとってはいくらでも代わりがいるような、事務職のＯＬ。


そんなあたしが、何も仕事にこだわる必要なんてない。


寿退職して、家庭に入るほうが幸せなんだろう。



だけど……



どうしようもなく、悲しかった。


悠貴に……夫となる人に、それを言われたことが。