「ねぇ、花音。あたし、前々から思ってたんだけどさ。あんた本当に悠貴さんのこと、好き?」


遥の突然の言葉に、あたしは目を見開いた。


「なっ…何、突然!」


「花音って、なんだか悠貴さんに押されるがままに婚約したように思えてしかたないんだけど」


遥は真っ直ぐにあたしを見つめた。



……遥は、人が考えてることについては、すごく鋭い。


たしかに、悠貴に押されたからっていうのはある。


でも……


「あたしは悠貴のこと、ちゃんと好きだから結婚決めたんだよ!悠貴なら、きっと幸せにしてくれるって思ったから」


うろたえながらも言ったあたしに、遥は少し頷いた。