「ええっ!?一夜を共にしたぁ!?」


遥の大きな声がカフェに響く。

と、ともにあたしは慌てて遥の口を両手で塞いだ。



「遥!声大きい!」


「あっ…ご、ごめん。でも、気づいたらネオさんの部屋にいたってことでしょ?」


「う、うん…」



あの夜から一夜明け

会社のカフェで、あたしは遥に昨晩のことを打ち明けた。


「でもね、何もしてないんだよ。酔っ払ったあたしを部屋まで運んでくれただけみたいで」


なんだか言い訳をしてるみたいなあたしに、遥は大きく溜息をついた。


「あんたねぇ。ちょっとは自覚が必要よ?悠貴さんと婚約したっていうのに、気づいたら男の部屋にいたなんて。しかも、たった一度しか会ったことない人でしょう?悠貴さんが知ったら怒るわよ~?」


呆れたように言う遥に、あたしもまた溜息をついた。


「うん。わかってるんだけどね。でも、何もなかったことだし」


「能天気ねぇ。油断しすぎるのはよくないわよ?」