だけど、妙に騒がしい自分の胸の鼓動に戸惑うばかりで。


思わず、ネオに背を向けて


「本当にありがとう。帰るわ」


逃げるようにベッドを降りたものの



「ここ、どこかわかってるの?」


部屋を出ていこうとするあたしの腕を、ネオは強く掴んだ。



「わ、わからないけど、とにかく帰らなきゃ……」


「夜中の3時だよ?どうやって帰るの?」


「そんなの、タクシ―つかまえれば……」


責め立てるようなネオの言葉を退けるように、あたしは掴まれた手を振り切ってドアに走った。



だけど……


――バン!


大きな音を立てて、開かれたドアが閉められ


見上げればそこには


鋭い目であたしを見下ろす、ネオの姿があった。