「悪かったね」


そう言って、後ろからそっとあたしを抱き締めるネオ。



「やっ、やめて!」


あたしは身をねじるようにして、ネオの腕から逃れる。




これ以上は、ダメ。


それはわかってる。


だけど、振り返った瞬間に目に入ったネオの表情があまりに切なくて。


責めることなんて、できなかった。



「ご、ごめんなさい。助けてもらって、お礼を言うべきなのに」



まるで拒むように体をよじったことに罪悪感を感じて、思わずそう言った。



だけど……

そんなあたしの心とは裏腹に


ネオは、まるで鋭利な刃物のような鋭い視線で、あたしを捉えた。



「いいや、その代りにキミの唇をいただいたからね」



獲物を捉えた獣のようなその眼差しに

ゾクリと、体が震えた。