「花音」


囁かれたその声に、少しだけ目を開けた。





――その瞬間


ネオの顔が迫ってきたかと思うと


そっとあたしの唇をネオの唇が塞いだ。





「んんっ……」



重なる唇の感触に、思わず体を仰け反らせた。



それなのに


そんなあたしの腰を、逃がすまいとネオの手がガシリと捉えて



有無を言わさぬネオの吐息が、あたしの中へと侵入した。



その感触があまりに心地よくて

まるで麻酔にかかったように、体が動かなかった。



あたしの唇は拒むことを忘れ、ネオの熱を感じた。