薫さんは張りつめていた表情を少し和らげ、優しい笑みを見せた。


「あなたにどうしても言わなきゃいけないことがあって、ずっと探してたの。でも、連絡先も全然わからないし、ネオに聴いても何も言ってくれなくてね。

だから、もしかしたらここにいるんじゃないかと思って。何度か足を運んで、賭けてみたの。私って、結構感がいいみたいね」



薫さんは冗談っぽく笑いながら、そう言った。



「そ、そうだったんですか?ご、ごめんなさい。私、連絡先もお知らせしないでいて……」



慌ててそう言うと、薫さんは首を横に振って笑顔を見せた。