こうしてネオを見つめるたびに、先生のことが脳裏をかすめる。


もし、知らなかったら

先生を忘れてしまえたかもしれないのに。



ただ、純粋にネオだけを見つめられたかもしれないのに。



そっとネオのシャツのボタンに手をかけて、隙間から覗いた胸に触れた。



そして、大きな傷跡を指でなぞり、ネオの瞳に問いかけた。



「この傷、何?」



そこに、何かが隠されているような気がして、あたしは問い詰めるような目でネオを見つめた。



だけど、だんだんとネオの瞳の色が淀みを増して……

表情が歪んでいくのを感じた。