ここに映る人は、紛れもなくあたしの愛する人。


ここに映るものが、紛れもない現実だとすれば



いったい、何が真実で

いったい、何が嘘なのか



あたしはいったい、何を真実だと捉えたらいいのか……。




急に、息が苦しくなった。


はっきりとしない意識の中で、薫さんの声が妙に明るく響いた。



「隣に映ってるの、永都の双子の弟なの」




頭を打ち付けられたような衝撃だった。



それと同時に、決して触れてはならないものに触れた気がしてしまった。